私は分譲木造住宅の現場監督をしています。
最近ニュースを賑わしているウッドショックにより、実際に現場ではプレカット会社から木材がはいらず、工事をすることができないため、一部の現場が止まったり、大工さんの仕事が一定期間なかったりという現象が起こっています。
ウッドショックとは

簡潔に申しますと、木材の需要急増に伴い木材が不足したり、価格が上昇したりすることです。
背景として、米国では新型コロナによる景気低迷を防止するため、超低金利政策をうちだされています。
その為、住宅ローンが低い金利で組めるため、新築住宅の販売戸建て件数が上昇することに伴って木材の需要が上昇し、木材の価格が高騰しています。
ウッドショックの原因
木材相場の価格高騰

新型コロナウイルスによる経済低迷を防ぐために、低金利政策がうちだされています。金利が低いことで住宅ローンを借りて住宅を新築需要が増えており、木材の需要が増えています。
そのことにより元々基準が高い日本への木材の輸入量が減り、米国へ木材が流れているということになっています。
コンテナ不足

米国では新型コロナウイルスの影響によって都市がロックダウンし、
港の労働者が少なくなり、船会社も運行する船を減便しました。
一方で中国ではいち早く新型コロナウイルスから経済が回復し、輸出を再開していました。
中国からは米国にたくさんのコンテナが到着したものの米国の港ではコンテナが捌けず、コンテナ船が滞留して中国に戻ってくることができない。
このように貨物船での物流が混乱となり、木材の運搬が滞ってしまったことも原因の一つとなっているようです。
木材を輸入頼らざるをえない日本の林業

日本では戦後に住宅のために杉が大量に植林されたものの昭和30年頃から安価な海外の木材を輸入し始めたため、日本の林業は徐々に衰退し、日本の木材自給率は約3割でほとんどを輸入に頼っています。
また、林業の後継者や重機不足等の問題から今回の問題に対して、国産材で対応するというのは難しいようです。
今後の見通し
住宅の価格が見直しについて

木材の価格は2~3割高騰しています。我が社ではまだ販売価格の値上げはされていませんが、家具で有名なマスターウォールでは7月からほぼ全ての木製の商品を最大で2割値上げする決断を下したそうです。
ウッドショックの終焉

かつて、1970年代にオイルショックがあり、トイレットペーパーが店頭からなくなるといったことがありました。
新型コロナウイルスが流行り始めた2020年4月頃においては、マスクが買えないことがありました。また、トイレの便座が中国から一時的に輸入されなくなりました。
しかしながら、今では各問題は解決され、何事もなかったかのようになっています。
今回のウッドショックについても今はニュース等で大きく取り上げられていますが、一過性の問題であり、
しばらくすれば、何事にもなかったようになるのではないかと思います。