住宅

【これからのスタンダード】ZEHのメリット・デメリット6選

マイホームを計画される中でどういったことに気を付けて進めて良いのかな?

快適な住環境を実現させるため国が設けた基準であるZEHは気にして方が良いです!

今回は日本でスタンダードとなるZEHの仕様について知っておいてほしいことを中心に解説します。

本記事を読んでいただくことで、ZEHがどういった住宅なのか分かっていただけるかと思います。

私は一級建築士の資格を活かして、普段は住宅の現場監督として働いています。

材料の発注、図面の確認、現場では基礎の配筋検査から金物検査、専門の機械を使用した機密測定、引き渡しまでを行い住宅に関するプロフェッショナルです。

ZEHとは

ZEHはゼッチと読み、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。

簡単に言うと「住宅で使用するエネルギー」よりも「創るエネルギー」の方が多い住宅のことです。

数式にすると「使うエネルギー≦創るエネルギー」になります。

何となく環境に優しく、高性能な住宅をイメージさせるのではないかと思います。

ZEHのメリット

ZEHのメリットとして大きく3項目あります。

経済性

 高い気密性脳や断熱性能、高効率設備の利用により、月々の光熱費を安く抑えることができます。

さらに、太陽光発電等の創エネルギーの余剰分を売電した際には収入を得ることもできます。

快適・健康性

 高断熱の家は、室温を一定に保ちやすいので、室外に対して夏は涼しく、冬は暖かいため、快適な生活が送れます。

さらに、断熱性能が高いために冬季においては効率的に家全体を暖められるので、急激な温度変化によるヒートショックによる心筋梗塞等の事故を防ぐ効果も期待できます。

レジリエンス

 聞きなれない単語ですが、直訳すると「しぶとさ、強靭さ、回復力」という意味です。

台風や地震等、災害の発生に伴う停電の際にも、太陽光発電や蓄電池を活用すれば電気が使うことができ、非常時でも安心な生活を送ることができます。

 また災害によりインフラが遮断されたとしても断熱性能が高いため使用するエネルギーが少なく、太陽光発電設備等で発電した創エネルギーを効率良く使用することができます。

ZEHのデメリット

イニシャルコストが上がる

性能の高い空調や換気システムの導入、高い断熱性能の採用により建築時にかかるイニシャルコストがあがってしまいます。

しかしながら、長期でみるとランニングコストが抑えられるため、このデメリットは解消できると考えています。

空気がこもるリスクがある

高気密の場合、法律で設置が義務付けられている24時間換気システムを運転させれば問題ないですが、停止させた場合、気密性が高く家の中の空気が滞留してしまい健康被害のリスクが生じてしまいます。

私の以前の上司も電気代がもったいないから24時間換気システムを停止させていると言っていました。

このように24時間換気システムの本来の目的を知らず、節約をするために24時間換気システムを停止させた場合ですが、デメリットが生じてしまいます。

施工不良に伴う壁面内部の結露

正しく施工された場合は発生しませんが、壁面の内部に断熱材の隙間が生じた際に結露が生じてしまう可能性があります。

結露が発生するメカニズムとしては、外部から断熱材のすき間に冷たい外気がはいりこみ、室内側の温度の高い空気と触れることで結露となってしまいます。

壁面の結露はカビの原因となってしまいます。

私が勤めている会社では機密測定試験を実施していて、すき間の量を示すC値を測定しています。

もし施工を依頼する会社が決まっている場合、C値を測定するか確認してみることをお勧めします。

まとめ

今回はZEHに関してのメリットとデメリットを説明しました。

驚かれるかもしれませんが、日本の住宅に関する基準は先進国の中では遅れているのが現状で、ZEH基準も諸外国の基準に比べるとまだまだ低いです。

今後の日本の住宅においてスタンダードになっていくZEHはぜひ今後の新築計画で採用していただくことを強くお勧めします。

また、大手のホームメーカーさんならZEH基準は満足されていると思いますが、地元の大きくない工務店さんに施工を検討されているのであれば、確認された方が良いかと思います。

皆さまが快適に過ごせるステキなマイホームを建てられることを願っております。

  • この記事を書いた人

いしたろう

▶一級建築士。
▶住宅の現場監督。
▶2019年に住宅購入。
▶S&P500を中心に資産運用中。
▶2038年にサイドFIREを
 目指しています。

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